生物多様性の保全
当社グループは「東京応化生物多様性保全行動宣言」を制定し、グループ全体で生物多様性保全に向けた活動に取り組んでいます。2023年は、国内全役員・従業員、および一部事業所の協力会社従業員を対象にCSRについての教育を実施したほか、「かながわトラストみどり財団」を通じて、「県民参加の森林づくり」に6名の社員を派遣しました。このような地道な生物多様性保全活動が社内外に波及し、社会全体に浸透していくよう、これからも活動を続けていきます。
また、阿蘇工場においては、阿蘇地域の水源涵養機能*の改善・向上と豊かな生態系の環境形成を目的に、公益財団法人阿蘇グリーンストックが主催する森林保全活動に参加しています。阿蘇北外輪山の一画(736㎡)を「TOKの森」と定め、2023年は計3回、31名の社員が除草作業や竹の切り出し等に汗を流しました。加えて郡山工場では、福島県のほぼ中央に位置する猪苗代湖の漂着水草回収活動を行いました。漂着水草は腐敗することにより水質悪化に繋がることから、水質維持のためにも水草の除去は重要な環境保全活動となっています。
*降雨時の洪水緩和、水資源の貯留、水質浄化等、森林が持つ機能
大気汚染物質排出量の削減
当社は、大気汚染に関わる主要な物質である硫黄酸化物(SOx)と窒素酸化物(NOx)の排出量削減に努め、周辺部に都市ガスの供給がない工場を除く全ての工場では、排出量が少ない天然ガスを燃料とするボイラーを使用しています。2023年の事業活動に関係するSOxの排出量は、前年比0.4t減少しました。また、NOxの排出量は、郡山工場における発電機の稼働時間の減少により、前年比6.5t減少しました。
土壌汚染の監視
当社グル-プでは、土壌や地下水の汚染は地域住民の皆様や従業員の安全・健康を脅かす恐れがあるとの認識に立ち、リスク管理に取り組んでいます。調査により土壌汚染あるいは地下水汚染が判明した場合には、速やかな情報開示と処置を図るとともに、地域住民の健康や安全確保に努めています。
また、当社TOK技術革新センターは、神奈川県高座地区の河川流域に所在する工場・事業所と自治体が加盟する「高座地区河川をきれいにする会」の会員として、事業所周辺の河川の水質の保全ならびに環境の維持向上に努めています。
水質汚染物質排出量の削減
各拠点からの排水については、工程排水処理施設で活性汚泥処理などの浄化処理を行い、法令や都道府県等で定められた規制値よりも厳しい自主管理基準値を設定し、基準値を満たしたものを公共水域に放流しています。
また、水質については定期的に自主基準と法規制への適合を評価し、2023年の排出量は、自主基準・法規制の双方に対し基準以下および規制値以下となりました。今後も適正な基準で放流するために、工程排水処理施設の維持・管理に努めるとともに、排出量低減に向けて活動していきます。
なお、2023年の公共水域へ放流されたBOD排出量は前年より0.1t減少し約0.4tとなり、COD排出量も前年比0.1t減少の0.6tとなりました。
オゾン層破壊物質対策
当社グループは、オゾン層破壊物質であるCFC-11やCFC-12などの特定フロンを主に冷蔵・冷凍機の冷媒として使用しており、グループ全体で、使用機器の削減や代替物質、グリーン冷媒(ノンフロン)への転換を進めています。また、フロン排出抑制法(改正フロン法)により定期点検や漏えい量の報告等が義務づけられているため、適正な管理・充填・処分が行われるよう環境整備を進め、適切に対応した結果、フロン排出抑制法に基づく2023年の漏えい量は、約172t-CO2eでした。また、オゾン層破壊物質を使用している消火設備についても定期的に切り替えを行うなど、今後もグループ全体で定期点検等を行い、フロンの漏えいが無いよう管理のさらなる強化を図っていきます。
※集計期間:2023年4月~2024年3月
PRTR対応の推進
化学物質の法規制であるPRTR法(化学物質管理促進法)に基づき、製造あるいは使用した指定化学物質について、排出量および移動量の管理と行政への報告を行っており、それらの数値を正しく算出・報告するために、「化学物質・PRTR管理システム」を活用しています。PRTR法で定められている第1種指定化学物質(515物質)のうち、2023年は86物質(取扱量は2,012t)を取り扱い、このうち大気・公共水域への排出量を2tと推定しています。また、当社は加盟する一般社団法人日本化学工業協会の日化協PRTR調査を通じて、VOCや有害大気汚染物質の排出量の把握に努めていきます。
※集計期間:2023年4月~2024年3月
政令番号 | 化学物質名 | 排出量(t) | 移動量(t) | |
---|---|---|---|---|
大気 | 水域 | |||
21 | 2-アミノエタノール | 0.0 | 0.0 | 19.6 |
42 | アルキルフェノール(アルキル基の炭素数が9のものに限る。) | 0.0 | 0.0 | 0.6 |
73 | エチルベンゼン | 0.2 | 0.0 | 4.4 |
78 | エチレングリコールモノメチルエーテル | 0.0 | 0.0 | 1.5 |
103 | キシレン | 1.0 | 0.0 | 13.1 |
106 | クメン | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
110 | クレゾール | 0.0 | 0.0 | 11.8 |
166 | ジエタノールアミン | 0.0 | 0.0 | 0.1 |
170 | ジエチレングリコールモノブチルエーテル | 0.0 | 0.0 | 1.0 |
173 | 1,4-ジオキサン |
0.4 |
0.0 | 52.4 |
208 | ジクロロベンゼン | 0.0 | 0.0 | 6.1 |
242 | N,N-ジメチルアセトアミド | 0.0 | 0.0 | 4.6 |
264 | N,N-ジメチルホルムアミド | 0.0 | 0.0 | 0.1 |
267 | 1,2-ジメトキシエタン | 0.0 | 0.0 | 0.9 |
307 | テトラメチルアンモニウム=ヒドロキシド | 0.0 | 0.0 | 14.3 |
342 | トリメチルベンゼン | 0.1 | 0.0 | 0.0 |
347 | トルエン | 0.0 | 0.0 | 0.4 |
352 | ナフタレン | 0.0 | 0.0 | 1.5 |
391 | フェノール | 0.0 | 0.0 | 2.9 |
414 | ふっ化水素及びその水溶性塩 | 0.0 | 0.0 | 4.3 |
442 | ヘプタン | 0.2 | 0.0 | 107.1 |
486 | メチルナフタレン | 0.0 | 0.0 | 3.9 |
489 | N-メチル-2-ピロリドン | 0.0 | 0.0 | 7.5 |
501 | 2-(2-メトキシエトキシ)エタノール | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
464 | ホルムアルデヒド | 0.0 | 0.0 | 0.3 |
生物多様性の保全
当社グループは「東京応化生物多様性保全行動宣言」を制定し、グループ全体で生物多様性保全に向けた活動に取り組んでいます。2022年は、国内全役員・従業員、および一部事業所の協力会社従業員を対象にCSRについての教育を実施したほか、「かながわトラストみどり財団」を通じて、「県民参加の森林づくり」に6名の社員を派遣しました。このような地道な生物多様性保全活動が社内外に波及し、社会全体に浸透していくよう、これからも活動を続けていきます。
また、阿蘇工場においては、阿蘇地域の水源涵養機能*の改善・向上と豊かな生態系の環境形成を目的に、公益財団法人阿蘇グリーンストックが主催する森林保全活動に参加しています。阿蘇北外輪山の一画(736m2)を「TOKの森」と定め、2022年は11名の社員が除草作業や竹の切り出し等に汗を流しました。加えて郡山工場では、福島県のほぼ中央に位置する猪苗代湖の漂着水草回収活動を行いました。漂着水草は腐食することにより水質悪
化に繋がることから、水質維持のためにも水草の除去は重要な環境保全活動となっています。
また、海洋中のマイクロプラスチックが生態系に与える影響を考慮し、石油由来の製品包装材をバイオプラスチック由来の材料に切り替えることも検討しており、2022年から材料の選定を開始しています。
* 降雨時の洪水緩和、水資源の貯留、水質浄化等、森林が持つ機能
東京応化生物多様性保全行動宣言
- 生物多様性保全を経営の最重要課題の一つと位置づけ、地球環境保全活動を強化します。
- 生産活動および製品・サービスの開発提供を通じて、またサプライチェーンとも連携して、環境負荷の継続的な削減を実現し生物多様性の保全に取り組みます。
- 社員に計画的に教育を実施し、生物多様性保全の重要性について正しく認識・理解させることで、活動の充実を目指します。
- 社会の皆様から高い評価と信頼が得られるような環境保全に資する社会貢献活動を継続的に行います。
- 取組み結果について公表し、社会の皆様とのコミュニケーションを促進します。
今後の課題と取組み
当社グループはこれまで、地球温暖化をはじめ、大気、土壌、水等の汚染についても様々な活動、対策を通じ、生物多様性の保持に向けて取り組んできました。これらのどのカテゴリーについても常に正常に活動ができるよう、今後も施設、設備の適切な維持管理を行い事故の無いように努めることで、化学物質を取り扱う企業としての社会的責任を全うしていきます。